前回は、「窓をまるごと入れ替える」工事や
マンションなどで良く行われる、「カバー工法」という工事の紹介をしました。
さぁ、窓から家の断熱性能を高めよう!!各工事のメリット&デメリット[その1]
今回は前回よりも、もう少し現実的にできそうな工事の紹介していきましょう。
ちょうど4年ほど「住宅版エコポイント※」という制度が策定されました。
※現在は終了しています。
その時に爆発的に注目されたのが、「内窓」工事です。
名前の通り、今の窓の内側にもう一つ窓を設置する工事です。
当時は、ホームセンターや家電量販店、TVのCMなどでガンガン宣伝していましたね。
一体なぜでしょうか?
それは、前回までに紹介した2つの工法よりもコストが安く、効果も高い。
しかも、マンション・一戸建てに問わず工事ができるからです。
「じゃぁー、みんなコレでいいじゃん!!」
確かにそう思うのですが、いくつか注意点があります。
まず「内窓」ですから、窓を開けるのに2回、鍵を解錠する必要があります。
既存の窓と、新たに取り付ける内窓の間の密閉された空気層が
断熱効果をもたらすので、既存の窓の結露は軽減はされますが、なくなりません。
そして、今の窓枠の奥行きが狭い場合には、窓枠を家の中に出っ張らせる必要があります。
どんな工事にも共通して言える事ですが、
メリットとデメリットをちゃんと理解した上で、工事を行いましょう。
人によってはメリットがデメリットに感じる事もあるでしょうし、
逆に、デメリットがメリットに感じる人もいるでしょう。
「勢いや」「何となく」とかで工事を行うときっと後悔しますよ。
内窓工事って、実は結露以外にも「防音効果」を求めて工事をする人も多いのです。
交通量の多い道路の騒音レベルは[約80dB](デシベル)と言われています。
外窓だけですと、家の中では[約55dB]の音となり事務所レベルの空間になります。
そこに内窓をプラスすると、[約40dB]となり図書館レベルの静かさになります。
また家の中から発生する様々な音→TVやオーディオの音、赤ちゃんやペットの泣き声…などなど。
これらの音が外に漏れるのをある程度防ぐ事ができます。
1ヶ所あたり、おおよそ5万〜程度の費用(商品代金+取り付け工事費)となります。
(ガラスの性能や枚数、大きさなどで金額も大きく変わります)
◎この工法のメリット
・とにかくコスパが良い
・1窓あたり約1時間というお手軽スピード施工
・豊富なカラーバリエーションで、様々なインテリアコーディネートが可能
・断熱、結露、遮熱、防音、とにかく様々な効果がプラスされる
・マンション、一戸建てを問わずに設置が可能
×この工法のデメリット
・窓が二重になるので、開け閉めが2回になり掃除もちょっと大変
・窓が部屋側に少し出っ張ってくる可能性がある
*こんな人が向いています
・大がかりな工事はせずに、簡単に断熱効果を求めたい
・どうせ工事するならちょっとオシャレにしたい
・防音効果も必要だ
さらに安くてお手軽に工事ができるのがこの「アタッチ工法」
これは、今のガラスがはまっている溝にアタッチメントを取り付けて
別のガラスを入れるといった工事です。
図では複層ガラス(ペアガラス)となっていますが、
真空ガラスなどの高性能ガラスに入れ替える事も可能です。
この工事の注意点は、今の窓はガラスが1枚であることです。
この工事は、高性能ガラスに入れ替えるのであればまだしも
ただ複層ガラスにするだけですと、正直コスパが良いとは言えませんね。
もちろん1枚ガラスよりは、性能は高いのですが。
工事金額は、おおよそ¥15,000/㎡〜程度となります。
(複層ガラス、高性能ガラスなどで金額も大きく変わります)
◎この工法のメリット
・内窓設置と違い、窓の開け閉めは1回で済む
・金額は非常に安く工事時間も短い
×この工法のデメリット
・コスパがそこまで良くない
・1枚ガラス用のサッシに2枚ガラスが取り付くので、動作が重くなる
・ガラス部分が一回り小さくなる
・サッシの性能は上がらないので、サッシ枠は結露する
*こんな人が向いています
・何もやらないよりは、何かしたい
・とにかく安くやりたい
・内窓設置で、開け閉め動作が2回になるのがイヤ
さて、これまで色々な工法を紹介してきましたが
もっと簡単に自分できる方法はないのか?
というご要望にお応えしましょう!!
窓の結露は、外の冷たい空気と家の中の暖かい空気が
ガラスの部分でぶつかり合って、暖かい室内側に発生します。
内窓や複層ガラスにや高性能ガラスに共通している事と言えば、
ガラスとガラスの間に「空気層」が設けられている事です。
ガラス1枚だと冷たい空気と暖かい空気がガラス部分で
直接でぶつかり合いますが、空気層というワンクッションがあると、
大幅に軽減されるのです。
身近な例でいうと、梱包に使われる通称「プチプチ」でも
ある程度の効果が得られるのです。
あれも空気の層からできていますからね。
最近よく売られている、フェルトみたいなロールシートは
結露に対して全く効果はありません。
あれは結露して発生した水滴の掃除を楽にする為の商品です。
結露ありきの商品…という事になります。
数回に分けて窓に関する記事をアップしていきました。
木造一戸建てであれ、高層マンションであれ、賃貸アパートであれ、
段ボールであれ、誰しも必ず「家」に帰ります。
その「家」に関する事を、少しでも分かりやすく
これからも紹介して行ければと思います!!
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