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「窓」から考える、住宅事情のエトセトラ

「窓」から考える、住宅事情のエトセトラ

「窓」

それは住宅に限らず、どんな建物にも必ず存在するもの。

そして僕らに風や光や希望を与えてくれる、かけがえのない存在(ちょっと大袈裟かww)

僕が在籍する建築業界では、窓の事を「サッシ(sash)」と呼びます。

このサッシ、今でこそアルミ製の物がほとんどですが、

かつては木製やスチール製が主流でした。

(現在でも木製サッシのまま、という昔ながらのお家もありますね) 

 

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ちょっと寄り道…

昔の日本の建物は、自然と共存していました。

扉を閉めても「すきま風」が家の中の空気を循環させ、

漆喰の塗り壁」、杉や桧の「板張り」された縁側やイ草を使った「畳」など、

天然の素材がそれぞれ呼吸をして、上手に湿度を調節してくれていました。

また、家の北側は安定して冷暗な場所ですから、

台所を配置して、野菜やぬか漬けなどの食材が腐らないようする…などなど、

先人の知恵と工夫が詰まった、気候や風土にあった家作りがされていました。

 

それが今では、鉄筋コンクリートの無機質なマンション。

高断熱高気密で空気が一切入ってこない建物。

壁や天井にはプリントされたビニールクロス、

床のフローリングさえもプリントの時代。

シックハウスが騒がれれば、24時間強制換気が義務づけられ、

そしてアルミを使ったアルミ製のサッシ…

 

…はっ、寄り道しすぎた(−。−;) 

 
アルミサッシと木製サッシの違い

アルミ製のサッシは、木製のサッシに比べて

半端じゃなく断熱性のが悪いです。

例えば、真冬に木製のサッシに触ると「ひや」とする程度ですが、

アルミ製のサッシは「冷たっっっっ!!!」となるのは容易に想像できます。

だから冬場に結露が起こるのです。

ガラスにも水滴が付きますが、サッシ自体も結露しているはずです。

しかしアルミ製のサッシは、木製のサッシに比べて

耐久性やメンテナンスには非常に優れています。

また、サイズの規格化が簡単で、工場での大量生産が可能となり、

需要と供給のバランスもバッチリなので、現在の建築業界では当たり前のように

アルミ製のサッシが主流になっているのです。

ちなみに近年では「ハイブリットサッシ」と呼ばれる、

内側が樹脂製で外側が従来のアルミ製といった、複合サッシが発売され

断熱性と耐候性に優れたサッシとして段々と広まりつつありますね。

個人的な見解ですが、恐らくそう遠くない将来に

建売り住宅なんかでは、この複合サッシが当たり前になってくるでしょうね。

 
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住宅における「窓」の役割

窓は、家の内と外を直接つなぐ唯一の連絡口です。

という事は、熱の出入りがもっとも激しい場所なのです。

夏場は家の外から内に、灼熱の外気が容赦なく押し寄せ、

冬場は家の内から外に、幸せのぬくもりがいとも簡単に奪われる。

もちろん、外壁・屋根・床にも熱の出入りはありますが、

窓はなんと全体の半分を占めると言われています。(約48%)

 

「じゃぁーつまり、エコな住宅にするには窓からって事?」

という事になりますよね。

 

そうなのです。

窓の断熱性能が上がるという事は、家全体の断熱性能も上がるという事なので

冬場の結露防止はもちろん、冷暖房の温度設定にも効果が発揮できるのです。

つまり電気代もお得になり、結果お財布にもエコな暮らしが送れるのです。

 

じゃぁ、どうしたら良いのだろうか?

それはまた次回という事で!! 

 


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